インテリアについて

十時亨 + 松井龍哉(デザイナー)

自然派レストランのデザインとは

料理を愉しむための空間とは料理と同等にお店の資質を雄弁に語ります。 全てがバランスよく配置されることではじめて心地よさがご提供出来ます。GINZA TOTOKIのデザインはデザイナーの松井龍哉氏と彼のデザインスタジオによるものです。 新たな店舗コンセプトの設定から実設計までを一緒に議論しながら作り上げています。デザインに対するお店の基本方針は 「”自然派レストラン”としてお客様に厳選された素材をゆっくりと召し上がって頂く場所でありたい」 ここからコンセプト作りが始まりました。

美術館の中の
ミュージアムレストラン

松井氏のGINZA TOTOKIのデザイン着想は「美術館にあるレストラン」からインスピレーションを得ています。
「銀座は日本でも稀な特別感が集る密度があります。この密度は美術館にあるような美的な遺伝子が詰まった環境です。人々はこの街を歩くとき、精神の高揚や心に豊かさを感じます。 そして感性に刺激が与えられ続ければ、人は、精神を休息させる場と高揚を語り合う場が必要です。 美術館のレストランはその機能を持っています。 銀座という街が美術館と見立てるなら、その美術館のためのレストランとは?という発想でデザインをスタートさせています。」

料理を感じるための白い空間

「また、美術館のレストランで大切な事は、お店の空間は主張の無い場であることです。 美術鑑賞により既に多くの刺激を受けた人にプレーンな環境を提供する事が大切です。 GINZA TOTOKIは入り口から真っ白な壁が緩やかなカーブを描きお客様をフロアへとお迎えいたします。 空間は白を貴重に自然で緩やかな光に包まれています。 自然派レストランの料理は一品一品素材を最大限生かし美しい色を放ちます。 ここでは、料理とお酒以外の色を空間から消す事で、逆にお皿の上の美しい自然の恵みを目でも堪能して頂けます。 自然のつくりだした色とは実に美しいと発見があるのです。」

整然とした配置と間

「元々この場所は、銀座の中層ビルによくある典型的な細長い空間です。ここに23席の対面式テーブルセットを配置するために、壁面に一列のベンチシートを作り、壁と平行に各テーブルをセットしています。 このためフロアの左半分が整然としたテーブルセットとなっています。右半分は、3組のテーブルセットとサービス導線となっています。サービス導線と座席の面積はほぼ一緒です。テーブルで埋まった空間より、(導線という)なにも置いてない間があることが、かえって落ち着きを感じさせています。」

フロアと厨房を繋ぐ8.5㎝幅の窓

「レストランのデザインではフロアと厨房の関係をどのように構成するかで全体の印象が大きく変わります。GINZA TOTOKIは、2つの機能をユニークな方法で構成をしています。 各テーブルから厨房を少し感じていただけるよう、間仕切りの壁には8.5㎝の透明な横長水平ラインの窓を作り、この透明ラインがお客様と料理人を視覚的につなげています。 調理場で働く料理人たちは実に生き生きと仕事をしています。当初は透明なガラスにしない予定でしたが、お客様から様子がみたいというご要望が多く、この8.5㎝ガラス窓が生まれました。」

全ては
料理を感じていただくために

「ジャスパー モリソンのデザインによる椅子をこの空間にあわせて色と素材をオリジナルでオーダーしています。 椅子は空間の白さにとけ込み、空間全体がプレーンである事を意図しています。 全ては料理をダイレクトに感じていただく為です。 実はこの空間に料理以外で色のあるものがあります。それは花です 。花はインテリアを構成する大きなアイテムです。 空間のコンセプトを達成する為に花には最小限で効果的な演出をしています。 各テーブルには一輪挿しがセットされ、空間で主張せず料理が運ばれてくるまでお客様へ自然の色をそっと愉しませてくれます。」

松井龍哉

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